2016/03/15

イーライリリー、アルツハイマー病に対する第3相試験の主要評価項目を変更

イーライリリーが、アルツハイマー病を対象として開発中の薬剤ソラネズマブsolanezumabのやり直し第3相EXPEDITION 3試験の主要評価項目を途中で変更した。これは異例な決定である。
ソラリズマブについては、2012年8月に2本の第3相EXPEDITION 1および2試験のいずれにおいても、認知機能と日常生活動作に関する主要評価項目を達成できなかった(➜par news)。
EXPEDITION 3試験では、当初ADAS-Cog14(Alzheimer’s Disease Assessment Scale-Cognitive subscale)とADCS-iADL(Alzheimer’s Disease Cooperative Study-Activities of Daily Living))により測定した、認知と機能に関わる複合主要評価項目を主要評価項目に設定していた。最近の研究によれば、アルツハイマー病の初期段階では活動機能より認知機能の低下が進行するとされている。そのため、EXPEDITION 3試験ではADAS-Cog14のみを主要評価項目とするように変更した。ADCS-iADLは副次的評価項目に加えられる。
この試験は、軽症アルツハイマー病のみを対象とした初の第3相試験であり、当局の対応が注目される。
ソラネズマブは、可溶型アミロイドに選択的に結合するヒト化モノクローナル抗体で,前臨床試験においてアミロイドの脳からの除去を促進することが報告されている。米国政府の支援を受けた研究において、有意な記憶障害がまだ認められない高齢者においてAlzheimer 病の進行を鈍化できるか、または予防が可能かの調査が進行中である。

Link 企業分析➜Eli Lilly 新薬開発➜アルツハイマー病