2017/02/27

ファイザーのエタネルセプト (LIFMIOR) のEU 承認、バイオシミラーでなく初のジェネリック生物薬品

ファイザーのエタネルセプトは、バイオシミラーではなくジェネリック生物薬品としてEUで承認された。抗体医薬の販売承認保持者による当該ジェネリック製品の承認取得は、今回が初めてである。エンブレルのEU 基本特許は2015 年に失効しており、2016 年1 月には、韓国Samsung Bioepis UK がECからBENEPALI(エタネルセプト)の販売承認を取得、販売パートナーのバイオジェンが同時にEU に上市した。バイオジェンは2016 Q3 までに約3,000万ドルの売上を報告している。これに対してファイザーの今回のLIFMIOR承認取得は、2016年8月に販売承認を申請するなど、一呼吸遅れ気味であるがBENEPALIの動きに刺激されものと推測される。
米国や日本と異なり、先発企業のジェネリック対策の最後の手であるオーソライズド・ジェネリック制度はEUにはない。今回のように、他社のバイオシミラーに対抗して、先発薬と同じBoehringer Ingelheim Pharm KGが供給するエタネルセプト の原薬を含み、同Wyeth Pharmaceuticalsが出荷する同じ製剤で、名称だけが異なるジェネリック品を、先発薬メーカーが対抗して同様の低価格で発売する。この戦略にバイオシミラー参入企業の対抗策は価格競争しか残されていない。