2017/03/17

アムジェンがPCSK9 阻害剤evolocumab(商品名レパーサ)の心血管系疾患患者に対する臨床アウトカム成績を発表

アムジェンの抗PCSK9 抗体evolocumab の心血管系疾患患者に対する臨床効果を検証したFOURIER 試験の結果がN Engl J Med誌上に掲載された。FOURIER試験は、スタチン療法中のアテローム性動脈硬化症患者27,564 人を登録した、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験である。患者はLDL-C が70 mg/dL以上で、evolocumab群[140 mg Q2W、または420 mg QM]、またはプラセボ群 の何れかに無作為に割付けられた。主要評価項目は心血管死、心筋梗塞、または脳卒中の複合評価であった。フォローアップ中央値は2.2 年。
48 週の時点で、プラセボと比較して、最小二乗平均のLDL-C 低下のパーセンテージが ベースラインの中央値92 mg/dLから30 mg/dLと59%の低下を達成した(P<0.001)。 プラセボ に比べてevolocumabは有意に主要評価項目のリスクを軽減した[1,344 人(9.8%) vs. 1,563 人(11.3%)、ハザード比(HR)=0.85; 95%CI; 0.79, 0.92;p<0.001]。重要な副次評価項目 [816 人(5.9%) vs. 1,013 人(7.4%); HR=0.80; 95%CI; 0.73, 0.88; p<0.001]も達成された。また、LDL-C レベルのベースライン [中央値;74 mg/dL] の最低の4 分位の患者のサブグループを含め、重要なサブグループを通じて同様の効果を示した。
(参考)
アムジェンの株価は米国心臓病学会(ACC)におけるFOURIER試験の成績発表直後に6%下落した。好成績ではあるが高薬価を正当化できるほどの素晴らしい成績ではない、という評価となった模様。