2017/06/30

ファイザーが開発したADC薬「inotuzumab ozogamicin」を欧州委員会が承認

 欧州委員会(EC)は、Pfizer の抗体薬物複合体(ADC)薬BESPONSA(一般名:inotuzumab ozogamicin)を成人の再発・難治性(r/r)CD22陽性の前駆B細胞性急性リンパ芽球性白血病(ALL)の治療薬として承認した。本効能には、成人のPhiladelphia 染色体陽性(Ph+)ならびにPh染色体陰性(Ph‐)r/rALL の治療が含まれる。今回の承認により、BESPONSAは、欧州連合(EU)におけるこのタイプの白血病患者に利用可能な最初で唯一のADC薬となった。
 承認の根拠となったのは、r/r 前駆B細胞ALL成人患者326 人を対象に、BESPONSAを標準化学療法と比較した第3 相INO-VATE ALL 試験結果である。Ph+再発性・難治性CD22陽性前駆B 細胞性ALL 患者は、少なくとも1種類のtyrosine kinase 阻害剤(TKI)による治療に失敗している患者が登録された。BESPONSAは血液学的回復の有無に拘わりなく、血液学的寛解(CR / CRi)と全生存期間(OS)の2 つの主要評価項目を達成した。
 米国では2015年10月にFDA からBreakthrough Therapyに指定されたが、米国FDAへのBLA申請の提出はEU に遅れて2017年2月になされた。優先審査で受領され、ユーザーフィー審査のゴールは2017年8月に設定されている。