2020/04/10

COVID-19重症患者におけるレムデシビル投与成績

New England Journal Of Medicine 誌(DOI: 10.1056/NEJMoa2007016)に、“Compassionate Use of Remdesivir for Patients with Severe Covid-19”と題する報告が掲載された。

レムデシビルはギリアドサイエンスが開発中のRNA ポリメラーゼ阻害ヌクレオチドアナログであり、エボラウイルス 治療薬として第2 相試験段階にある。 

レムデシビルを少なくとも1 回投与された61 人の患者のうち、8 人のデータを分析から除外した(治療後のデータの無い7 人と投与エラーの1 人)。データ分析対象とした53 人の内訳は米国22 人、欧州またはカナダ22 人、日本9 人であった。ベースライン時、30 人の患者(57%)が人工呼吸を受けていて、4 人(8%)が体外式膜型人工肺(ECMO)療法を受けていた。追跡期間中央値の8日間に、酸素サポート受療グループで36人の患者(68%)に改善が認められ、人工呼吸を受けている30 人の患者のうち17 人(57%)が抜管された。合計25 人の患者(47%)が退院し、7 人の患者(13%)が死亡した。死亡率は、侵襲的換気療法を受けている患者では18%(34 人中6 人)、侵襲的換気療法を受けていない患者では5%(19 人中1 人)であった。

コンパッショネートユース制度によりレムデシビルで治療された重度のCOVID-19 で入院した患者コホートにおいて、患者53 名中36 人(68%)に臨床上の改善が観察された。レムデシビル療法の有効性を判定するには、進行中の無作為化・プラセボ 対照試験の結果を見る必要がある。