2021/03/25

BMS の 3 番目 checkpoint 阻害薬抗 LAG-3 抗体 Relatlimab

3 月 25 日、Bristol Myers Squibb(BMS)は、未治療の転移性または切除不能悪性黒色腫 患者を対象にした抗 LAG-3 抗体 Relatlimab と OPDIVO(nivolumab)の固定用量配合剤による 併用療法を OPDIVO の単剤療法と比較評価した第 2/3 相 RELATIVITY-047(CA224-047)試験 の主要結果を発表した。

LAG-3:

リンパ球活性化遺伝子 3 (LAG-3)は、エフェクターT 細胞および制 御性 T 細胞(Treg)に発現する細胞表面分子 で、T 細胞の応答、活性化および増殖を制 御する機能を有している。非臨床試験にお いて、LAG-3 経路を阻害することにより、 疲弊した T 細胞のエフェクター機能が回 復し、抗腫瘍応答を促進する可能性が示唆 されている。初期の研究で、LAG-3 を他の 補完的免疫経路と併せて標的とすること が、抗腫瘍免疫活性をより効果的に高める ための重要な方策である可能性が示唆さ れている。BMS は、多様な癌腫を対象に した臨床試験で、抗 LAG-3 抗体 relatlimab と他の薬剤の併用療法を評価している。

 第 2/3 相 RELATIVITY-047(CA224-047)試験:

本試験で、合計 714 人の患者が 1:1 に無 作為化され、病勢の再発、許容できない毒性、または同意撤回まで、4 週間毎に静脈内注入 により relatlimab 160 mg+OPDIVO 480 mg の配合比固定の併用療法、または OPDIVO 480 mg の単剤療法が投与された。主要評価項目の盲検下独立審査委員会(BICR)による無増悪生存期 間(PFS)について、relatlimab と OPDIVO の併用療法は、統計学有意差を以って達成した。副 次評価項目の全生存期間(OS)と奏効率(ORR)の追跡調査が進行中である。固定用量の併用療 法の忍容性は良好で、併用療法群および OPDIVO 単剤療法群とも新たな安全性シグナルは報 告されなかった。これらは、抗 LAG-3 抗体を評価した試験で報告された初めての第 3 相試 験データである。relatlimab は、BMS にとって、3 番目の免疫 checkpoint 阻害薬(抗 PD-1、抗 CTLA-4、および抗 LAG-3)である。

悪性黒色腫

皮膚にある色素産生細胞(melanocytes)の無秩序な増殖を特徴とする皮膚 癌の一種である。転移性悪性黒色腫は、この疾患の中でも最も致死性が高く、癌が皮膚表面 だけでなく、他の臓器にも広がったときに起こる。悪性黒色腫の発生率は、過去 30 年間にわ たり徐々に上昇している。米国では、2021 年に 106,110 人が新たに悪性黒色腫と診断され、 関連死亡者数は約 7,180 人に上ると推定されている。WHO は、2035 年までに全世界におけ る悪性黒色腫の発症者数が 424,102 人に達し、関連死亡者数は 94,308 人に上ると推定して いる。悪性黒色腫は、非常に早期の段階に治療されれば大部分が治癒可能であるが、所属リ ンパ節転移がある場合、生存率は大幅に低下する。