3 月 22 日、Roche は、TECENTRIQ(atezolizumab)と最良支持療法(BSC:best supportive care) を比較した第 3 相 IMpower 010 試験の中間解析において、主要評価項目の無病生存期間(DFS: disease-free survival)の延長を達成したと発表した。 1. 発表内容概要: TECENTRIQ は、手術後に化学療法を受けた非小細胞肺癌(NSCLC)患者 に対する補助療法として、II~IIIA 期で無作為化された患者集団全体に対し統計学的に有意 な DFS の改善を示した。特に、PD-L1 陽性集団では DFS の改善がより優れていた。 ITT 患者集団全体の DFS は、中間解析時点では閾値に到達しておらず、また全生存期間 (OS)についても、中間解析時点では解析に必要なイベント数が少ないため、これらの評価項 目は、計画されている次回の解析時までフォローアップが継続される。TECENTRIQ の安全 性は、これまでに認められている安全性プロファイルと同様であり、新たな安全性上の懸念 は示されなかった。IMpower 010 試験成績は、今後の医学系学会で発表を予定しており、FDA および EMA を含む世界各国の規制当局にも提出予定である。
IMpower 010 試験
本試験は、IB 期~IIIA 期の NSCLC(UICC 第 7 版)で、手術後に最大 4 サイクルの cisplatin を含む補助化学療法を受けた患者を対象に、BSC と比較して TECENTRIQ の有効性と安全性を評価する、多施設共同、非盲検、無作為化、グローバル第 3 相臨床試験である。本試験では、1,005 人の患者を TECENTRIQ 群(最大 16 サイクル投与) と BSC 群に無作為に 1:1 に割り付けた。主要評価項目は、II~IIIA 期の PD-L1 陽性集団、II ~IIIA 期の全集団およびIB~IIIA期のITT 集団における主治医判定によるそれぞれの無病生 存期間(DFS)である。主要副次評価項目には、IB~IIIA 期の ITT 集団の OS が含まれている。