2022/05/05

FDA、抗HER2 剤治療歴の有るHER2 陽性転移性乳癌に対するエンハーツの効能追加承認

第一三共とアストラゼネカ が共同開発中のHER2 に対する抗体薬物複合体(ADC)のエンハーツ (一般名:トラスツズマブ デルクステカン)について、転移状態にあるか、あるいはネオアジュバント 療法中か、あるいはアジュバント療法および化学療法中、または治療完了後6 カ月以内に再発したいずれかで、以前に抗HER2 ベースのレジメンを受けた、切除不能または転移性HER2 陽性乳癌の成人患者の治療法としてFDA から承認された。今回の承認で第一三共はアストラゼネカから開発マイルストン支払いの1 億$を受領する。
本申請は、エンハーツが以前にトラスツズマブ とタキサンの治療を受けたHER2 陽性の切除不能および/または転移性乳癌患者に対して、トラスツズマブエムタンシン (T-DM1)と比較して病勢進行または死亡のリスクを72%減少させることを示したピボタル第3 相DESTINY-Breast03 試験のポジティブな結果に基づいている [ ハザード比(HR)=0.28; 95%CI:0.22-0.37; p <0.0001]。盲検下独立中央レビュー(BICR)によって評価された無増悪生存期間(PFS)の中央値は、T-DM1 の6.8 カ月(95%CI:5.6-8.2)に対して、ENHERTU 群は未達であった(95%CI:18.5-NE)。第3 相DESTINY-Breast03 試験の追加解析結果は、確定診断された奏効率(ORR)がT-DM1 群の36.1%( n = 87; 95%CI:30.0-42.5)に対して、ENHERTU 群は82.7% (n = 205; 95%CI:77.4-87.2)と2 倍以上であることを示した。