IMLYGICTM (タリモゲン ラヘルパレプベック)は、メラノーマの病変組織に直接注入するワクチンである。 腫瘍細胞内でのみ複製するよう遺伝子操作を施したherpes simplex ウイルス1 型で、ウイルス遺伝子に免疫系を刺激し殺癌細胞活性を高めるためにヒトGM-CSF 遺伝子を組み入れている。腫瘍細胞を溶解し腫瘍抗原およびGM-CSF を放出し抗腫瘍活性を高める。
申請の根拠となった多施設共同オープンラベル第3 相無作為化臨床試験OPTiM(005/05)試験では、切除不能の進行メラノーマ(IIIB、IIIC またはIV)患者を対象に、IMLYGIC とGC-CSF とを比較した試験である。主要評価項目は持続的奏効率(DRR)で、CRまたはPRを最低6 ヵ月間継続することと規定した。OPTiM 試験では436例を登録し、IMLYGIC 治療群の16.3%がDRR を達成したのに対してGM-CSF治療群で は2.1%に留まった(p<0.0001)。DRR のうち29.1%がCR 、70.8%がPRであった。また、IMLYGIC 群の奏効までの期間は4.1 ヵ月(範囲;1.2~16.7 ヵ月)であった。なお、アムジェン はIMLYGICTM とヤーボイ との併用試験を開始している。