2015/12/11

5-FU過剰投与等の中和剤としてWellstatのVistogardをFDAが承認

FDAは、Wellstat Therapeusics Corp.(Wellstat)が申請中のVistogard(一般名:uridine triacetate)を5-FUやカペシタビンの過剰投与の緊急対応、あるいはこれらの薬剤の治療終了後96時間以内に発症する心血管系または中枢神経系などの緊急治療薬として承認した。Wellstatは9月にuridine triacetateをXuridenの商品名で遺伝性オロト酸尿症の治療薬としてFDAの承認を取得し、希少小児薬の開発で優先審査バウチャーを入手した。
フルオロウラシルは、代謝物FUTPがRNAに取り込まれて細胞毒性を示すが、Vistogardの投与により過剰の血中uridineがuridine triphosphate(UTP)に変換され、FUTPに対する拮抗剤となる。
承認の根拠は、135例を対象とした2本のオープンラベル試験結果である。5-FUの毒性が発現した後にVistogardを投与した患者の生存率は96%と高値であった。
5-FUあるいはカペシタビンの治療で10~20%に重篤なあるいは生命にかかわる副作用、あるいは過剰投与が発生している。