2016/04/19

ファイザーのCDK4/6阻害剤IBRANCE、第3相試験で進行乳癌に対する有用性を検証

内分泌療法後に疾患進行を認めたエストロゲン受容体陽性(HR+)ヒト上皮成長因子受容体2陰性(HER2-)進行乳癌を対象としたIBRANCE(一般名:パルボシクリブ)の第3相試験(PALOMA-2)において1次治療としての有用性が検証された。
IBRANCE は、ファースト・イン・クラスのサイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6 経口阻害薬である。PALOMA-2 試験は、治療歴のないHR+/ HER2-閉経後進行乳癌を対象に実施された。本試験において、IBRANCE+レトロゾール 併用群は、レトロゾール+プラセボ 併用群に比べて、無増悪生存期間(PFS)を有意に延長し、本試験の主要目的を達成した。また、米国ではIBRANCE は加速承認されており、本試験の結果は標準承認(full approval)への移行を支持すると期待される。PALOMA-2 試験結果は、6 月初旬開催の米国臨床腫瘍学会(ASCO)の2016 年度年次総会で発表される予定である。
米国においてIBRANCE は、PALOMA-1 試験結果に基づき、FDA により2015 年2 月に加速承認された。効能は、ER+HER2‐閉経後進行乳癌に対する初回内分泌療法(レトロゾール との併用療法)であるが、PFS を評価項目とする加速承認のため、PALOMA-2 試験で臨床上のベネフィットの確認が求められていた。今後、FDA と協議し、PALOMA-2 試験結果を提出して、IBRANCE の加速承認を標準承認へ移行する準備を進めていく。
また、内分泌療法(術後補助療法または転移病変に対する治療)による治療中または治療後に病勢が進行したホルモン受容体陽性(HR+)HER2‐転移乳癌 (閉経の有無を問わない)に対してもフルベストラントとの併用での効能が2016 年2 月に追加されている。

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