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2017/03/28

アトピー性皮膚炎治療薬として初めての抗体医薬品となるデュピゼント(DUPIXENT)をFDAが承認

サノフィとRegeneronが開発した抗IL-4/IL-13抗体デュピルマブ(dupilumab)である。FDAは「外用薬で適切にコントロールできない、あるいは外用薬が使用できない」成人の中等度から重度のアトピー性皮膚炎(AD)治療薬として承認した。充填済み皮下注シリンジで300mgを1週間または2週間に1 回自己注射する。
承認の根拠となった臨床試験「グローバルLIBERTY AD」は1週間に1回(Q1W)単独投与のSOLO-I、2週間に1回(Q2W)単独投与のSOLO-II、および外用ステロイド剤(TCS)と併用した長期投与(52週間)のCHRONOS、以上3本の第3相試験からなり、総数2,119人の患者を登録した。
投与期間16週間のSOLO-IおよびSOLO-II試験では、Q1W単独投与で38%(vsプラセボ10%)、Q2W単独投与で36%(9%)の患者が試験担当医による判定で「クリアまたは殆どクリアな皮膚」(クリア皮膚)に改善した。湿疹面積および重篤度インデックス点数の75%以上改善(EASI-75)で定義された「湿疹の縮小」は、Q1Wで51%(5%)、Q2Wで44%(12%)の患者が達成した。
TCS併用のCHRONOS試験における「クリア皮膚」は16週時点で39%(12%)となり、単独投与と同水準だった。52週時点のEASI-75達成率はQ1W投与64%をQ2W投与69%が上回った。16週時点のEASI-75はQ1Wが40%、Q2Wが36%、プラセボは12.5%だった。
(参考)
アトピー性皮膚炎はこれまで新薬開発が進んでいない領域である。抗IL-4/IL-13抗体デュピルマブはRegeneronが開発したVerocimune技術(マウスの遺伝子組み換えを用いる完全ヒト抗体作成技術)によって創出され、2014年11月にFDAのブレークスルー治療指定(BTD)、2016年9月に申請、優先審査となっていた。年間治療費4万㌦近い価格が設定されており、売上高10億ドルを超えるブロックバスターとなる見通しである。

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