2017/04/17

中外製薬のバイスペシフィック(bispecific)抗体エミシズマブが小児血友病第3相試験の中間解析で好成績

エミシズマブは活性型第IX因子と第X因子に結合し、活性型第IX因子による第X因子の活性化反応を促進することで、血友病Aで欠損または機能異常を来している第VIII因子の補因子機能を代替する。中外製薬が創製し、「12歳以上の第VIII因子の阻害剤(抗体)を保有する血友病A患者に対する予防投与療法」としてFDAの画期性治療(BT)指定を受けている。米国での臨床開発は親会社のロシュグループが進めている。
今回、中間成績を発表した第3相「HAVEN 2」試験は、血液凝固第VIII因子を阻害する中和抗体の産生が確認された12歳未満の血友病A患者を対象として出血予防効果を評価する試験である。投与期間の中央値が12週間を超えた時点で中間集計をおこなった(対象:小児患者19名)。エミシズマブの定期的予防投与(1週間に1回、皮下注)により、統計学的に有意な出血回数の減少が示された。最終的には、小児患者60名を登録し、投与開始後52週時点の成績で最終解析をおこなう予定である。
(参考)12歳以上の血友病A患者を対象とした「HAVEN 1」試験はすでに昨年(2016年)12月に第3相臨床試験(症例数109例)における主要評価項目(出血頻度抑制)の達成を報告している。12歳以上の血友病A患者ではさらに、2週間に1回投与の「HAVEN 3」試験、4週間に1回投与の「HAVEN 4」試験が継続中である。

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