2017/04/04

PD-1阻害剤オプジーボ によるdMMRまたはMSI-H転移性大腸癌の効能追加申請をFDAが優先審査に指定

ブリストル-マイヤーズ スクイブ(BMS)はオプジーボ(一般名:ニボルマブ)について、「ミスマッチ修復機構欠失(dMMR)または高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)(dMMR/MSI-H)」転移性大腸癌(CRC)で、フルオロピリミジン、オキサリプラチンおよびイリノテカンをベースとした化学療法の前治療歴がある患者を対象とする効能追加の承認申請(sBLA)を提出した。FDAは優先審査として受理し、審査期限は2017年8月2日とされた。
(参考1)今回のsBLA申請は、dMMR/MSI-H の転移性CRC 患者を対象として進行中の第2相CheckMate-142試験のデータに基づいている。RECIST v. 1.1 基準による試験担当医師の評価(INV)、および第三者評価委員会(IRRC)による奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)などを有効性評価項目とし、ニボルマブ 3 mg/kgを2週間に1 回(Q2W)投与した。ニボルマブ投与群(N=74)の84%は前治療歴2 回以上の患者で、ORR は31%(INV)、27%(IRRC)、病勢管理率(DCR)は69%(INV)、62%(IRRC)、奏効までの期間の中央値は約2.7 ヵ月(INV/IRRC)、12 ヵ月時点でのPFS 率は48.4%(INV)、45.6%(IRRC)、DoR およびOS は未到達。OS 率は83.4%(6 ヵ月時点)、73.8% (12 ヵ月時点)であった。奏効性にPD-L1、BRAF、KRAS の発現レベルは影響しなかった。
(参考2)オプジーボにとって消化器がん領域の適応症を申請するのは初めてである。抗PD-1受容体抗体/抗PD-L1抗体で、これまでに消化器がんのFDA承認を取得した製品はない。メルクのキートルーダは昨年11月に今回のオプジーボと同じMSI-Hがんを対象とするsBLAを提出し、優先審査となった。しかし、FDAがデータ不足を指摘、メルクは追加データを提出したがsBLAの「重大な修正」として扱われたため、審査期限は6月9日へと3カ月延長されている。