2017/08/31

ノバルティスのCAR-T 細胞療法KYMRIAH (tisagenlecleucel) をFDAが承認

 ノバルティス のCAR-T 細胞療法 KYMRIAH (一般名:tisagenlecleucel)について、小児および25 歳以下の若年成人の難治性あるいは少なくとも2 回再発したB 細胞急性リンパ芽球性白血病(ALL)患者の治療法として初の販売承認をFDAが認可した。審査はBreakthrough Therapy の指定を受け、優先審査により申請受理から、約7ヵ月で承認された。
 KYMRIAHは、遺伝子修飾自家T 細胞免疫療法で、患者個人のT 細胞を用いて製造される、1 種のカスタマイズド製品である。採取した患者のT 細胞を製造センターに送付し、ベクターを用いて新たな遺伝子を挿入する。特異抗原CD19 を発現している白血病細胞を標的にできるキメラ抗原受容体を発現している遺伝子修飾T 細胞を患者に戻し、CD19 陽性癌細胞に対して殺細胞作用を発揮させる。
承認申請の根拠となった、再発・難治性前駆B 細胞ALL の小児と若年成人63 人を対象にした多施設試験における治療開始3 ヵ月以内の総合寛解率は83%であった。
 今後、再発・難治性びまん性大細胞型B 細胞性リンパ腫(DLBCL)の効能追加をFDA およびEMA に本年中に申請する予定であり、欧米以外の地域には2018 年の販売承認の申請を予定している。