2017/08/02

移植片対宿主病(GVHD)患者の初の治療薬としてインブルビカ がFDAの追加承認を取得

 1 回又はそれ以上の治療に失敗した慢性移植片対宿主病(cGVHD)の成人患者の初の治療薬として、アッヴィのBTK 阻害剤インブルビカ(一般名:イビルチニブ)の効能追加をFDAが承認した。インブルビカにとって6 番目の承認効能であり、癌以外では最初の効能である。Bruton 型tyrosine kinase (BTK )阻害の幅の広さを示す事例である。本剤についてはPharmacyclics LLC(Pharmacyclics)とヤンセンが共同開発したが、アッヴィ がPharmacyclics を買収したため3 社による共同開発となった。
 インブルビカは、BTK を標的にすることにより腫瘍細胞の生存シグナルを阻害して増殖を抑制する。cGVHD の承認は、オープンラベル、多施設、単一群、第1b/2 相PCYC-1129 試験の知見に基づいている、コルチコステロイド1 次療法に失敗し、追加の治療法が必要なcGVHD 患者42 人を対象にイブルチニブの安全性と有効性を評価した。患者の年齢中央値は56 歳(範囲19〜74 歳)、男性52%、白人93%である。
 cGVHDと診断後の期間の中央値は14 ヵ月で、cGVHD に対する前治療回数の中央値は2 回(範囲1~3 回の治療)であった。ベースラインの時点で、大部分の患者(88%)は、口(86%)、皮膚(81%)、および消化管(33%)最低2 つの臓器が侵されていた。奏効はcGVHD が発症している全臓器(口、皮膚、消化管、および肝)について観察された。奏効率(ORR)は、67%であった(完全奏効:21%、部分奏効:45%)。48%の患者で持続的な奏効率が少なくとも20 週継続した。