2017/08/01

オプジーボが化学療法治療後に病勢進行したMSI-H/dMMR 転移性大腸癌に対してFDAの追加承認を取得

 ブリストルマイヤーズ スクイブ (BMS)のオプジーボ(一般名:ニボルマブ)のㇷルオロピリミジン、オキサリプラチンおよびイリノテカン(FOI)による治療後に病勢進行した高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H;microsatellite instability-high)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR;mismatch repair deficient)の転移性結腸直腸癌(mCRC)に対する適応追加をFDAが承認した。加速承認制度の下で、奏効率(ORR)および奏効期間(DOR)の代替評価項目に基づき承認された。
 推奨用量は240 mg で、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで、2 週間毎(Q2W)、60 分以上かけて静脈内に投与する。追加承認の根拠とされたCheckMate -142 試験では、FOI治療歴の有る患者53 人において、オプジーボ により28%(95%CI:17 - 42; 53人中15 人)で奏効が認められた。完全奏効(CR)率は1.9%(53 人中1 人)、部分奏効(PR)率は26%(53人中14 人)であった。これらの奏効患者において、奏効期間中央値は未達(範囲:2.8+ - 22.1+ヵ月)であった。全登録患者74人における奏効率は、32%(95%CI;22 - 44;74 人中24 人)であり、CRは2.7%(74 人中2 人)、PRは30%(74 人中22 人)であった。
 転移性CRC 患者の約5%において、dMMR またはMSI-H のバイオマーカーが認められる。dMMR は、DNA 複製時のミスマッチエラーを修復するタンパクが欠損または機能していない場合に生じ、CRC を含む特定の癌においてMSI-H の腫瘍が発生する原因となる。dMMR またはMSI-H の転移性CRC 患者は、従来の化学療法でベネフィットを得られない場合が多く、一般的に予後不良とされている。