2017/08/01

免疫チェックポイント阻害剤療法後に増殖速度が急上昇するHyperprogressors の遺伝子解析

 Clinical Cancer Research 誌に、抗PD-1/PD-L1 免疫チェックポイント阻害剤の治療により、一部の癌患者で癌の悪化が加速されるHyperprogression あるいはHyperprogressiorsと呼ばれる症例が報告された。このような患者の遺伝子プロファイルが特定できれば、免疫療法によるhyperprogression のリスクの高い患者の選別の助けになる。
著者らは、California大学San Diego校 Gustave Roussy 研究所によって最近報告された、前治療に比べて腫瘍増殖および臨床的悪化の速度が異常に加速された{進行が早められた}と思われる患者のサブセットに注目し、免疫療法後の「hyperprogression」に関連する潜在的な遺伝子マーカーの検索を行った。
 MDM2 ファミリーの増幅、またはEGFR変異陽性患者の中に、抗PD-1/PD-L1 抗体の単剤療法の治療後に腫瘍の増殖速度が著しく増加した例があった。特にPD-1/PD-L1 開発を主導しているBMS やMerckは、その対策に関する更なる研究を進めることを求められている。