お知らせ

2017/11/15

ALK阻害剤アレセンサの肺がん一次療法への格上げをFDAが承認(2017/11/7)

中外製薬が創製し、親会社のロシュに導出している肺がん治療薬アレセンサ(一般名アレクチニブ)は2015 年12 月に、クリゾチニブ(販売名ザーコリ、ファイザー)による治療後に病勢が進行したALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)に対する二次療法としてFDAから加速承認されました。今回の一次療法への格上げ承認は第3相ALEX試験の結果に基づいています。一次治療におけるクリゾチニブとの比較において、アレセンサは病勢進行または死亡のリスクを47% 低下、ほぼ半減するという圧倒的な成績を示しました(p<0.0001)。無増悪生存期間 (PFS)の中央値はクリゾチニブ群10.4 カ月(95%CI: 7.7-14.6)を2倍以上に延長し、25.7 カ月(95%CI:19.9-未到達)となりました。

下記、ALK阻害剤に関するファーマセットLibraryの保存記事を紹介します。クリゾチニブは初めてのALK阻害剤として2011年にFDAから承認されましたが、それまで難航していたcMET阻害剤が看板を変えたおかげで承認されたという印象でした。クリゾチニブが無効となった場合の二次療法として2012年に承認されたノバルティスのザイカディアは今年(2017年)5月に一次療法に格上げされました。同月には、武田薬品が買収統合したアリアド社のALUMBGRIGが承認されています。ALK阻害剤の完成度は段々と高まっているようです。ファイザー自身もクリゾチニブの後継品を開発しており、ALKに加えてROS1異常も対象とするロルラチニブがフェーズII段階にあります。ALK阻害剤の2016年売上高はザーコリ560億円、ザイカディア90億円。3番手のアレセンサは180億円でした。