Seattle Genetics, Inc.(Seattle Genetics)とアステラス製薬は、両社が共同開発中の抗体-薬物複合体(ADC 薬)enfortumab vedotin とMerck & Co., Inc.(Merck)の抗PD-1 抗体キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)(遺伝子組換え)の併用療法を評価する、前治療歴の無い転移性尿路上皮癌患者を対象とした臨床試験に関して、Merck と提携契約を締結した。
本契約に基づいて、3 社は、Seattle Genetics が実施するグローバルな申請を目的とした国際共同、第3 相臨床試験において資金を共同で出資する。本試験では、未治療の局所進行性または転移性尿路上皮癌患者を対象として、enfortumab vedotin とペムブロリズマブの併用療法による有効性を評価する。3 社は現在、規制当局と協議を行いながら試験計画の最終化を進めており、2020 年前半には試験を開始する予定である。なお、本試験には日本も参加する予定。
Seattle Genetics 社独自の最先端のリンカー技術を用いて、抗nectin-4 モノクローナル抗体に微小管阻害作用を持つ MMAE(monomethyl auristatin E)を結合させた ADC 薬である。本品はアステラス製薬が ADC の標的として同定したさまざまな固形癌に発現する細胞接着分子nectin-4 を標的とする薬剤である。ほぼ全ての尿路上皮癌細胞に発現し、細胞間の接着に関連するタンパク質nectin-4 を標的とするfirst-in-class の ADC 薬である。抗PD-1 抗体または抗 PD-L1 抗体による治療歴があり、かつ、術前または術後の補助化学療法として、あるいは局所進行または転移状態において白金製剤による治療歴のある、局所進行性または転移性尿路上皮癌への適応について、米国FDAに承認申請をしておりFDAによる審査終了目標日(PDUFA date)は 2020 年 3 月 15 日に設定されている。なお、日本では、enfortumab vedotin は承認申請に向けた開発段階にある。