- FDA grants priority review to Roche’s Tecentriq monotherapy as first-line treatment of certain people with advanced non-small cell lung cancer
ロシュが申請したテセントリク単独療法による進行性非小細胞肺がんに対する一次治療をFDAが優先審査に指定した。申請根拠とした第3相 IMpower110 試験はALKおよびEGFRに変異がなく、PD-L1選別された進行性非小細胞肺がん患者572例を化学療法群(シスプラチン、カルボプラチン、ペメトレキセド、ゲムシタビン)とテセントリク単独投与群に1対1で無作為に割り付けた。オープンラベル試験ではあるが、PD-L1高発現(TC3/IC3-WT)グループにおけるテセントリク群の全生存期間(OS)の中央値は20.2か月となり、化学療法群の13.1か月を7.1か月上回った。ハザード比は0.595、95%信頼区間は0.398-0.890、p値は0.0106であった。副作用報告は化学療法群44.1%に対し、テセントリク群では12.9%だった。
(参考)
テセントリクの売上高は発売初年度2016年160億ドル、2017年500億ドル、2018年800億ドル、2019年1900億ドル(2100億円)と順調に拡大している。2016年5月に進行性膀胱がんを適応症として初回承認を取得し、肺がんでは転移性非小細胞肺がん患者を対象に化学療法後の二次療法として2016年10月に承認されていた。その後、2019年3月にトリプルネガティブ乳がんにも承認され、成長が加速された。患者数が多い非小細胞肺がんに対して単独療法の一次治療が承認されれば売上高5000億円を上回る大幅な拡大が見込まれる。PD-1阻害薬として110憶ドル(1兆2000おk)を売り上げるキートルーダは肺がんに対する単独療法としては2019年4月に単独療法の一次治療が承認されている。ブリストルマイヤーズ・スクイブのPD-1阻害薬オプジーボは非小細胞肺がんに対する一次療法として自社の抗CTLA-4抗体ヤーボイとの併用で2018年6月に申請していたが、本年(2020年)1月に再申請している。アストラゼネカの抗PD-L1抗体イムフィンジはステージIII/切除不能の非小細胞肺がん患者を対象に化学療法後の二次療法として2018年2月に承認され、2019年売上高は15億ドルに達している。一次療法は自社の抗CTLA-4抗体トレメリムマブとの併用でステージIVの患者を対象にP3試験段階にある。