Arcus Biosciences(Arcus)が開発中の二重 A2a/A2b adenosine 受容体拮抗薬AB928について、転移性非小細胞肺癌(mNSCLC)患者の第1b 相ARC-4 試験の安全性・有効性結果が米国臨床腫瘍学会(ASCO 2020)で発表された(Abstract # e21659)。
ARC-4 試験 (NCT03846310)は、転移性、局所進行性、または再発性の非扁平上皮NSCLC 患者で、代替療法または治癒療法の選択肢のない患者を対象とした第1b 相オープンラベル試験である。AB928 の段階的な2 用量(75 又は150 mg)をカルボプラチン、ペメトレキセドおよびペムブロリズマブと併用した。
6 人の患者全員の標的の病巣のサイズが縮小した。 3 人が部分奏効を達成し、1 人は前治療歴の無い患者、1 人は、以前にエルロチニブ とオシメルチニブ による治療で病勢が進行したEGFR 変異陽性患者、およびもう1 人はイピリムマブ とニボルマブによる併用療法で病勢進行が認められた患者であった。更に1 人の患者では、標的にした病巣のサイズが30%以上縮小し、新たな病巣にも同様の所見が認められたことから、治療の継続を選択した。