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2020/06/05

アストラゼネカのCALQUENCE、COVID-19 入院患者19 人の大多数に有望な臨床効果を示す

アストラゼネカのBTK阻害剤CALQUENCE(一般名:acalabrutinib)が、COVID-19 の重症患者の炎症マーカーを低下させるとともに臨床の転帰を改善したことが、Science Immunology 誌に掲載された。
選択的BTK 阻害剤acalabrutinib は、重度のCOVID-19 で入院した19 人の患者(酸素補給11 人、人工呼吸8 人)にオフラベルで投与され、うち18 人がベースライン時の酸素要求量より増加していた。10〜14 日間の治療コースで、acalabrutinib は1〜3 日以内に大部分の患者の酸素供給を改善し、識別できる毒性は認められなかった。炎症マーカーとしてC 反応性タンパク質(CRP)とIL-6 の測定で、酸素供給の改善と相関して、リンパ球減少症と共にほとんどの患者で迅速に正常化した。acalabrutinib 治療期間の終了時に、酸素補給コホートの8/11(72.7%)の患者は、室内空気を呼吸でき、機械的換気コホートの4/8(50%)の患者が抜管に成功し、2/8(25%)が室内空気による呼吸が可能になった。ex vivo 分析(生体外分析)により、自己リン酸化によって証明されるように、BTK 活性の顕著な上昇が明らかになり、健常ボランティアの血中の単球と比較して、重度のCOVID-19 の患者の血中の単球ではIL-6 の産生上昇が明らかとなった。これらの結果は、BTK 阻害剤により過剰な宿主炎症を標的とすることは、重症のCOVID-19 治療戦略であることを示唆していて、COVID-19 を対象に本効果を確認する国際的な前向き、無作為化、対照比較試験の実施の必要性を示唆している。