欧州委員会(EC)は、アストラゼネカのイミフィンジ(一般名:デュルバルマブ)について、化学療法(エトプシドおよびカルボプラチンまたはシスプラチン)との併用療法で、成人の進展型小細胞肺癌(ES-SCLC)患者の1次療法として、製造販売承認を認可した。今回のECの承認は、イミフィンジと化学療法との併用療法を検討した第3相CASPIAN試験の結果に基づくもので、本試験結果はLancet誌にも掲載されている。
本試験において、イミフィンジと化学療法との併用療法が、化学療法単独との比較で、ES-SCLC患者の1次療法において統計学的に有意に、臨床的に意義ある全生存期間(OS)の延長が認められ、死亡リスクを27%低下させた [ハザード比(HR)=0.73;95%CI ; 0.59 - 0.91;p=0.0047]。また、イミフィンジと化学療法との併用療法群では、奏効率(確定診断)の増加(化学療法単独58%に対して、イミフィンジと化学療法との併用療法群68%)が示され、化学療法にイミフィンジを追加することで、肺癌関連の症状が悪化するまでの期間が延長することが示された。最新の解析データでは、追跡期間の中央値が2年を超えた時点でも、イミフィンジと化学療法との併用療法による持続的な有効性が示された [OS; HR=0.75;95%CI; 0.62 -0.91;p=0.0032(名目上)]。