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2020/10/02

SGLT-2阻害薬による慢性腎不全の治療

10/02 AZN, SGLT-2, CKD
AstraZeneca’s Farxiga (dapagliflozin) has been granted Breakthrough Therapy Designation (BTD) in the US for patients with chronic kidney disease (CKD), with and without type-2 diabetes (T2D).

アストラゼネカのSGLT-2阻害薬フォシーガ(ダパグリフロジン)は米国で、二型糖尿病の有無にかかわらず慢性腎臓病患者に対する画期的治療法としての指定を賦与された。

(参考)
ファシーガは2014年に2型糖尿病治療薬として承認された。SGLT-2阻害薬としては2013年に承認されたヤンセン(JNJ)/田辺三菱のINVOKANA(canagliflozin、日本名:カナグル)についで2番目であり、3番手となったリリー(LLY)/ベーリンガーインゲルハイム(BI)のジャディアンス(JARDIANCE、一般名empagliflozin)には半年先行した。しかし、心不全に対する適応症拡大ではジャディアンスが先行し、2016年に糖尿病患者における心血管事故死の減少効果の効能追記が承認された。その後、慢性心不全(CHD)の効能追加ではフォシーガが先行して昨年(2019年)10月に2型糖尿病患者の心不全による入院リスク減少する効能、2020年5月に糖尿病の有無にかかわらず心臓駆出量低下型心不全(HFrEF)患者における心血管事故死および入院リスクを減少する効能が2020年5月に承認された。

腎臓疾患への効能追加はINVOKANA(カナグル)が先行して2019年9月に糖尿病成人症(DKD, Diabetic kidney disease)の効能追加が糖尿病患者における心不全と同時に承認された。しかし、カナグルはフォシーガやジャディアンスが臨床中の脳尿病の有無に関わらない心不全、腎不全への効能追加には取り組んでいないようである。SGLT2阻害薬の2018年グローバル売上高はフォシーガ(AZN)が15憶㌦(1600億円)へと2憶㌦増加、ジャディアンス(LLY/BI)は9億㌦へ3億ドル増加する一方、INVOKANAは7億㌦へと2億㌦減少した。