大塚製薬がAkebia Therapeutics, Inc.(米国Cambridge, Massachusetts)(Akebia)と共同開発を進めている経口腎性貧血治療薬vadadustat について、透析期および保存期における成人の慢性腎臓病(CKD)に伴う貧血治療藥として、FDA に新薬承認申請(NDA)を提出した。
Vadadustatは、低酸素誘導性因子(HIF)の分解酵素である低酸素誘導性因子prolyl 水酸化酵素(HIF-PH)を阻害することにより、エリスロポエチン転写因子であるHIF を安定化・調整する働きをする。HIF は、酸素濃度の変化に応答し、赤血球の産生に関与する遺伝子発現を制御する。vadadustat は、標高が高くなって酸素濃度が低下した時に、人体が低酸素状態に自然に適応するメカニズムと同じ作用で作動する。人体は低酸素状態では、HIF の産生を上昇させるが、HIF はエリスロポエチン 産生を導くのみでなく鉄輸送能を改善する働きもあり相互依存的プロセスを調整することで、赤血球の産生を高め、結果として酸素運搬を改善する。