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2021/03/22

第一三共、COVID-19 に対するmRNA Vaccine DS-5670 の第1/2 相臨床試験を開始

3 月22 日、第一三共は、開発中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する mRNA vaccine DS-5670の国内での第1/2相臨床試験について、本日初回投与を開始したと発表した。

1. DS-5670:第一三共が見出した新規核酸送達技術を用いた COVID-19 に対する、独自の
カチオン性脂質ナノ粒子(LNP)-mRNA vaccine である。国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が実施する、COVID-19 に対するvaccine 開発(2 次公募)(企業主導型)の支援を受けて、東京大学医科学研究所と連携して研究開発を推進しており、非臨床試験で安全性と有効性を示唆する結果が得られている。

2. 臨床試験:本試験は、国内の健康成人及び健康高齢者152 人を対象にした第1/2 相臨床試験で、DS-5670 の安全性と免疫原性を評価し、推奨用量を検討する。安全性の評価項目は、
有害事象や副反応で、免疫原性の評価項目は中和抗体価 や IgG 価等である。同社は、vaccine 事業を展開する国内の製薬企業として、COVID-19 流行の早期終息による社会の安心・安全の回復に貢献するために、COVID-19 に対する国産vaccine DS-5670 の開発を推進し、早期供給に向けて取り組んでいる。

3. 経緯:1) 2020 年6 月;COVID-19 に対する 遺伝子(mRNA) vaccine の開発を決定したと発表した。同社は、2020 年4 月から、COVID-19 に対する vaccine 及び治療薬の研究開発を全社横断的に推進するタスクフォースを立ち上げ、同社の持つ研究資産、技術及び知識を最大限に活用し、外部機関とも連携して、社会的に急務となっているCOVID-19 に対する医療体制確立に向けて積極的に取り組んでいる。
 vaccine の研究開発においては、AMED が支援する「新型コロナウイルス(2019-nCoV)の
制圧に向けての基盤研究」(研究代表者:東京大学医科学研究所 河岡義裕教授)に参画し、
同社が見出した新規核酸送達技術を用いた「2019-nCoV に対するmRNA ワクチン開発」を分担している。今般、動物モデルを用いた試作mRNA vaccine の薬理評価において、新型コロナウイルスに対する抗体価が上昇している結果が得られた。この結果を受け、同社は、本mRNA Vaccine の開発を最優先プロジェクトの1 つに位置づけ、供給体制の整備を図るとともに、2021 年3 月頃の臨床試験開始を目指すとしていた。なお、供給体制の整備においては、「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業」の設備を用いる予定。

2) 2020 年8 月;開発中のCOVID-19 に対するmRNA vaccine DS-5670 について、厚生労働省の「ワクチン生産体制等緊急整備事業(第1次公募)」の事業者に採択されたと発表した。同社の子会社第一三共バイオテック株式会社(埼玉県北本市)にDS-5670 の生産体制を整備するとともに、COVID-19 対策のみならず、将来の新興・再興感染症 vaccine にも対応し得る国内でのプラットフォーム生産技術の構築を目指す。

3) 2020 年8 月;開発中のCOVID-19 に対するmRNA vaccine DS-5670 について、AMED が実施する創薬支援推進事業「COVID-19)に対するvaccine 開発(企業主導型)(第2 次公募)に採択されたと発表した。本事業は、企業においてすでに研究開発が進められているCOVID-19 に対するvaccine の開発を重点的に支援し、安全かつ有効なvaccine を早期に実用化することを目的とした事業である。