8 月30 日、第一三共は、経口抗凝固剤edoxaban(LIXIANA)の経catheter 動脈弁置換術
(TAVI)を施行した心房細動患者を対象にした 第3b 相ENVISAGE-TAVI AF 試験において、主要評価項目を達成したと発表した。本試験結果は、欧州心臓病学会議(ESC Congress 2021)で発表されると共に、NEJM 誌に掲載された。
1. 第3b 相ENVISAGE-TAVI AF 試験:
本試験は、TAVI を施行した心房細動患者1,426 人を対象に、edoxaban 群とwarfarin 群の有効性及び安全性を最大3 年間評価した非劣性比較試験。有効性の主要評価項目の総死亡、心筋梗塞、虚血性脳卒中、全身性血栓塞栓症、弁血栓症及び重大な出血の発現率の評価項目について、edoxaban 群はvitamin K 拮抗薬warfarin 群に対し非劣性を示し、初期の目的を達成した(edoxaban 群:17.3%/年 vs. warfarin 群:16.5%/年)。安全性の主要評価項目である重大な出血は、edoxaban 群で多く発生したが(edoxaban 群:9.7%/年 vs. warfarin 群:7.0%/年)、致死的な出血は両群間で差はなかった。
2. EDOSURE プログラム:
edoxaban 臨床研究プログラムで、全世界10 万人以上の患者を対象に10 試験以上の臨床研
究を実施している。第一三共は、edoxaban の科学的知見を継続的に発展させるよう取り組んでいる。edoxaban 臨床研究プログラムは、グローバル第3 相臨床試験のENGAGE AF 及びHokusai VTE 試験結果を基盤に、心房細動や静脈血栓塞栓症の患者へのedoxaban の使用について、臨床試験や使用実態下のデータ創出を目的としている。EDOSURE は、これまでに完了、又は継続、計画中の試験を含めて10 試験以上の無作為化比較試験、レジストリー及び非無作為化比較試験に全世界で10 万人以上の患者登録を予定している。心房細動・静脈血栓塞栓症患者における新たな臨床データや実臨床データの創出で医療関係者や患者がedoxaban による治療について更なる安心感を持って貰えるよう活動していく。(完)
(主な出典:https://www.daiichisankyo.co.jp/files/news/pressrelease/pdf/202108/20210830_J1.pdf他)