10 月11 日、Merck & Co., Ltd. /MSD(Merck)とRidgeback Biotherapeutics は、Merck がFDAに、重度のCOVID-19 及び/又は入院治療に進行するリスクのある成人の軽~中等症のCOVID-19 治療法として、経口抗virus 薬molnupiravir の緊急使用許可(EUA)申請を提出したと発表した。両社は各国の規制当局に、今後数カ月以内に緊急使用又は承認申請を提出する。
1. EUA 申請の根拠の第2/3 相MOVe-OUT 試験 (MK-4482-002) (NCT 04575597):
本試験は、臨床検査で確定された軽症から中等症のCOVID-19 の入院していない成人患者を対象にした、グローバルな第3 相パートの無作為化、placebo 対照、二重盲検、多施設試験である。この試験への患者登録の要件は、SARS-CoV-2 に対する vaccine 接種を受けておらず、疾患の転帰不良に関連する少なくとも1 つの危険因子を有しており、無作為化前の5 日以内に発症が採用された。試験の主要有効性評価は、無作為化の時点から29 日目までに入院および/または死亡した被験者の割合によって、placebo とmolnupiravir の有効性を比較評価する。Clinicaltrials.gov.によれば、2020 年10 月5 日から世界23 カ国173 施設において1,850 人を登録して実施された試験である。
2. 試験結果:
EUA 申請は、重症のCOVID-19 に進行するリスクのある軽症から中等症のCOVID-19 の入院していない成人患者を対象に、でmolnupiravir を評価した第3 相MOVe-OUT臨床試験で計画された、中間解析から得られたポジティブな結果に基づいている。中間解析では、molnupiravir は入院または死亡のリスクを約50%減少させた。無作為化後29 日目まで
入院または死亡した症例は、placebo 投与患者で14.1%(53/377)と比較してmolnupiravir 投与患者では7.3%(28/385) p = 0.0012 であった。placebo 投与患者では29 日目までに8 人の死亡が報告されたが、molnupiravir 投与患者の死亡は報告されなかった。有害事象の発生率は、molnupiravir 投与群とplacebo 投与ボ群で同等であった(それぞれ35%と40%)。薬物関連の有害事象の発生率も同等であり(それぞれ12%と11%)、placebo 群と比較して、molnupiravir 群では有害事象のために治療を中止した被験者は少数であった(それぞれ1.3%と3.4%)。
3. molnupiravir (MK-4482 / EIDD-2801):
COVID-19 の原因となるSARS-CoV-2 の複製を阻害する強力なribonucleoside analog の開発中の経口投与薬剤で、いくつかの前臨床の動物モデルで、予防、治療、感染予防など、SARS-CoV-2 に有効であることが証明されている。さらに、前臨床および臨床データは、molnupiravir が最も一般的なSARS-CoV-2 変異株に対しても活性であることを示している。molnupiravir は、Emory 大学が完全所有する非営利バイオ企業であるEmory 大学Drug Innovation (DRIVE) LLC で発明された。EMORY DRIVE は、米国国
防総省と国立衛生研究所から資金援助を受けている。
molnupiravir は、Ridgeback Biotherapeutics と共同でMerck によって開発されている。
Ridgeback はMerck から一時金を受理し、特定の開発および規制当局の承認マイルストン達
成に応じて偶発的な支払いを受け取る資格がある。
提携による利益は、パートナー間で均等に分配される。Ridgeback によってライセンスさ
れて以来、molnupiravir の開発に使用される全ての資金は、Merck とRidgeback のWayne & Wendy Holman によって提供されてきた。(完)
(主な出典:https://www.merck.com/news/merck-and-ridgeback-announce-submission-of-emergency-use-authorization-application-to-the-u-s-fda-for-molnupiravir-an-investigational-oral-antiviral-medicine-for-the-treatment-of-mild-to-moderate-c/他)