お知らせ

2021/11/18

quizartinib の急性骨髄性白血病(AML)患者への1 次療法第3 相臨床試験で主要評価項目達成

11 月18 日、第一三共は、新たにFLT3-ITD 陽性急性骨髄性白血病(AML)と診断された患
者を対象に、非常に強力で選択的なFLT3 阻害剤であるquizartinib を評価するグローバルな
pivotal 第3 相QuANTUM-First 試験のポジティブなトップライン結果を発表した。

1. 発表概要
QuANTUM-First 試験の最初の主要評価項目を達成した。標準的な導入化学療法と強化化学療法と併用したquizartinib を投与された後、単剤のquizartinib 投与を継続した患者は、標準療法のみを受けた患者と比較して、統計的に有意な臨床的に有意な全生存期間(OS)の改善が認められた。quizartinib の安全性は管理可能であり、既知の安全性プロファイルと一致していることが示された。詳細は今後開催される関連学会で発表される。

2. AML
成人の白血病の最も一般的な形態の1 つであり、全症例の約3 分の1 を占める。AML の5 年生存率は約29%であり、特にFLT3-ITD 陽性AML 患者の予後は不良で、再発のリスクは高い。大多数のAML 患者の生存率改善に向けunmet medical needs が残されている。

3. 第3 相QuANTUM-First 試験デザイン
新たに診断された(NDx) FLT3-ITD AML およびECOGPS 0-2 の18〜75 歳の患者が対象。重要な除外基準は、前治療歴 [quizartinib(Q) またはFLT3 阻害剤を含む]、30 日以内の被験薬またはデバイス使用、2 週間以内の免疫療法、中枢神経系白血病の病歴、重大な心血管疾患(QTcF> 450 msec)、活動性肝疾患であった。患者は1:1 に無作為化され、Q 40 mg (35.4 mg free base 相当)、またはplacebo(P)に割り付けられ、それぞれ導入(IND)および強化(CON)化学療法 (≤ 4 cycle の高用量cytarabine ±造血幹細胞移植)を併用投与、その後維持療法として(Q 30 mg は60mg に増量、≤ 12 28 日cycle ;またはP)が投与された。IND のcycle 1 では、患者はcytarabine 100 mg (または更新protocol による200 mg / m2 / d)を7日間、1〜3日目に anthracycline (daunorubicin 60 mg/m2/d 又は idarubicin
12 mg/m2/d) (7+3)をそれぞれ投与された。各IND の8 日目と各CON cycle の6 日目から、患者は14 日間1 日1 回Q 40 mg またはP を投与された。IND のcycle 2 では、患者はcycle 1 同様protocol 規程のcytarabine と anthracycline を 7 + 3 日投与されるか、試験担当医医師の判断で5+2 日に変更し、8 日目または6 日目からQ またはP の投与開始への置き換えが可能。主要評価項目は、無イベント生存期間である。副次評価項目は、OS、CR、CRc(最新のIWG 定義によるCR + CRi)である。試験はグローバルの275 施設で536 人の患者登録を目指している(NCT02668653)(ANNLS ONCOLOGY; Vol. 28, supplement 5, September 01, 2017 より)

4. 参考 (2019 年6 月FDA がCRL 発行)
FLT3-ITD 変異陽性の再発または難治性(R/R)急性骨髄性白血病(AML)を治療対象としたquizartinib 30 mg→60mg 増量のNDA について、FDAは審査完了通知(CRL; Complete Response Letter)を発行した。これに先立ち、同年5 月、FDAの腫瘍薬諮問委員会(Oncologic Drugs Advisory Committee)が本NDA を審議し、投票の結果、
8:3 で承認勧告を否決した。ITT 集団のOS の分析では、ハザード比(HR);0.77(95%CI 0.59、0.99; p = 0.019)と統計学的に有意な改善が示されたが、有効性データとしては脆弱との判定であった。因みに、副次評価項目の無イベント生存期間(EFS)の分析では、統計学的に有意な改善は認められなかった(HR 0.9; 95%CI; 0.71, 1.16; p= 0.114)。NDx のAML 患者に対するquizartinib の1 次療法の有効性のレベルが注目される。(完)

(主な出典:https://daiichisankyo.us/press-releases/-/article/364091/11880925他)