2021/11/09

Biohaven / Pfizer、経口片頭痛予防治療薬rimegepant の米国外商業化に向け戦略的提携契約

11 月9 日、Biohaven Pharmaceutical Holding Company Ltd.(Biohaven)とPfizer Inc.(Pfizer)は、承認を取得した米国外の市場におけるCGRP(calcitonin gene-related peptide)受容体阻害剤rimegepant の商業化のための戦略的提携契約を締結したと発表した。

1. rimegepant
 rimegepant は、CGRP 受容体を可逆的に遮断することにより片頭痛の根本原因を標的とし、それによって片頭痛発作を引き起こす生物学的カスケードを阻害するNURTEC ODT の商品名でFDA によって、2020 年2 月に片頭痛の急性期治療としての初回承認、および2021 年5 月に一時的な片頭痛の予防治療薬としての効能追加が承認されている。前兆の有無にかかわらず片頭痛発作の急性期治療および成人の一時的な片頭痛の予防的治療に適応されている。 rimegepant の販売承認申請は、現在、欧州医薬品庁および米国外のいくつかの規制当局によって審査中である。 NURTEC ODT は、片頭痛治療薬で第1 位の処方箋枚数を記録し、これまでの累計での米国の純売上高は承認後約1 年8 カ月で約3 億3600 万$に達し、処方数は100 万件を超えている。75 mg NURTEC ODT の単回投与で、迅速な痛みの緩和、大幅な痛みの軽減、及び正常な機能への復帰を齎し、一部の患者では最大48時間の持続効果が認められている。NURTEC ODTは、片頭痛発作を止めるために必要に応じて最大18回/月経口投与するか、片頭痛発作を防ぎ、毎月の片頭痛日数を減らす予防用に1 日おきに服用する。NURTEC ODTには依存症の可能性は無く、薬物乱用頭痛やリバウンド頭痛とは関係ない。

2. 契約条件下での両社の役割分担
Biohaven は主にrimegepant のさらなる臨床開発に責任を負い、両社は製品の承認取得のための申請活動を協力して進める。Biohaven は引き続き米国でNURTEC ODT のみを販売し、Pfizer は米国以外のすべての地域でrimegepant の承認を取得して商業化の責任を負う。さらに、この契約により、Pfizer は米国外で、第3 世代の高親和性、選択的かつ構造的にユニークな低分子CGRP 受容体拮抗薬候補zavegepant の権利を取得し、現在、第3 相試験段階にある鼻腔内デリバリーおよびSoft gel 製剤について、片頭痛治療薬としての臨床試験を評価中である。

3. 契約条件
Biohaven とPfizer は、Pfizer が米国外でrimegepant とzavegepant を商業化する権利を取得するための提携契約ならびにライセンス契約と関連するサブライセンス契約を締結している。Biohaven は引き続き研究開発をグローバルにリードし、Pfizer は米国外でグローバルな商業化に向けて分担業務を実行する。契約に基づいて、Pfizer は5 億$の一時金を支払うが、これは、1 億5000 万$の現金と市場価格の25%のpremium 付きでBiohaven の株式
購入費3 億5000 万$が含まれる。Biohaven は、米国外での純売上高に対し段階的な2 桁のロイヤルティに加え、最大7 億4000 万$のマイルストンの支払いを受け取る資格がある。

4. Biohaven CEO Dr. Vlad Coric のコメント
今回の提携は、Biohaven のNeuroscience のR&D 能力と、Pfizer の業界をリードする専門知識およびグローバルfootprint との優れた組み合わせを齎し、世界中の患者のrimegepant へのアクセスの加速に役立つと信じている。この提携で、Biohaven とPfizer は、片頭痛治療のパラダイムを変え、新しい標準療法を確立する可能性があると信じている」と述べている。(完)

(主な出典:https://www.biohavenpharma.com/investors/news-events/press-releases/11-09-2021-0他)