スイスローザンヌに拠点を置くADC Therapeutics SA(ADCT)と田辺三菱製薬は、ADCT が開発・販売中の、抗CD19 ADC 薬loncastuximab tesirine (米国商品名ZYNLONTA)(本化合物)について、全ての癌腫を対象に、日本で独占的に開発および商業化するライセンス契約を締結した。
loncastuximab tesirine (ZYNLONTA)はfirst-in-class となる抗CD19 抗体薬物複合体で、標的のCD19 タンパク質は、一部の種類の非ホジキンリンパ腫(NHL)に影響を与える免疫細胞のB 細胞の大部分に特異的に発現しており、新たな治療法開発の有望な標的となっている。本品は、抗CD19 抗体と低分子のalkyl 化剤との複合薬で、プロテアーゼ による切断が可能なバリン-アラニンリンカー. SG3199 を介してpyrrolobenzodiazepine (PBD)二量体細胞毒性アルキル 化剤SG3199 に結合したヒト化IgG1κモノクローナル抗体から構成されている。リンカー に接続されたSG3199 はSG3249 と呼ばれ、またtesirine.とも呼ばれている。本品の分子量は凡そ151KDa である。SG3249 の平均2.3 分子が各抗体1 分子に結合している。抗体は哺乳類(チャイニーズハムスター卵巣)細胞によって産生される。2 回以上の全身療法を実施した後、再発または難治性になった、びまん性大細胞型B 細胞リンパ腫の治療薬としてFDA から承認されており、他の薬剤との併用療法についても開発中である。