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2023/04/11

遺伝要因がピロリ菌感染の胃癌リスクを高めることから、ピロリ菌除菌で胃癌のリスク低減

理化学研究所(理研)生命医科学研究センター 基盤技術開発研究チームの碓井喜明特別研究員、桃沢幸秀チームリーダー、愛知県がんセンター研究所 がん予防研究分野の松尾 恵太郎分野長らの国際共同研究グループは、日本の11,000 人以上の胃癌患者群と44,000 人以上の非癌対照群を用いた世界最大規模の症例対照研究を行い、胃癌のリスクに関連する遺伝子の存在とその特徴を示し、それらの遺伝子の病的 variants がHelicobacter pylori(ピロリ菌)感染による胃癌のリスクへの影響を増強させていることを明らかにし、NEJM 誌に掲載された。
BioBank Japan(BBJ)により収集された胃癌患者群10,426 人、非癌対照群38,153 人、愛知県癌センター病院疫学研究(HERPACC)により収集された胃癌患者群1,433 人、非癌対照群5,997 人のDNA を解析し、計9 個の遺伝子 (APC、ATM、BRCA1、BRCA2、CDH1、MLH1、MSH2、MSH6、PALB2)が胃癌のリスクに関連していることがわかった。さらに、相同組換え修復機能に関わる遺伝子群(ATM、BRCA1、BRCA2、PALB2)の病的variants とピロリ 菌感染が、胃癌のリスクに対し交互作用を伴うことが明らかになった。