TGCTは、関節や腱鞘に発症する破壊性腫瘍で、関節の破壊による非常な痛みから関節を動かし難くなり、しばしば外科手術が必要なとなる疾患である。100 万人当たり11 例に発症し、20 歳代から50 歳代の女性に多い。
ペキシダルチニブは、TGCTを引き起こす滑膜中の異常細胞の増殖を促進するコロニー刺激因子1 受容体(CSF-1R)を強力かつ選択的に阻害する新規経口低分子薬である。現在、症候性TGCT 患者を対象とする第3 相ENLIVEN 試験が126例の患者登録を目指して進行中である。今回の効能以外に、glioblastoma(膠芽細胞腫)、メラノーマ、卵巣癌、乳癌、およびMerck の抗PD-1 療法との併用で進行メラノーマや複数の固形癌での評価を予定または進行中である(➜par news)。