2015/05/07

第一三共の米国子会社PlexxikonがCSF-1R阻害薬PLX3397と抗PD-1抗体の併用でメルクと提携

第一三共の米国子会社Plexxikonが開発中のCSF-1R阻害薬であるPLX3397とメルクの抗PD-1抗体ペンブロリズマブpembrolizumab(商品名:キートルーダKeytruda)との併用療法を評価する臨床試験を共同で実施する提携契約が発表された。進行メラノーマおよび複数の固形癌を対象とする第1/2相試験で、両剤の併用療法の安全性と忍容性を評価する。

PLX3397は、CSF-1R、Kit、およびFLT3などの変異陽性キナーゼを選択的に阻害する。CSF-1RとKitは、腫瘍とその微小環境(マクロファージ、破骨細胞、マスト細胞など)に関わる重要な要素を制御している。PLX3397は、メラノーマやその他の固形癌に加えて、腱滑膜巨細胞腫瘍(TGCT)、色素性絨毛結節性滑膜炎(PVNS)、腱鞘巨細胞腫(GCT-TS)、乳癌、膠芽細胞腫などに対する有効性が臨床試験で検討されている。

[参考1] 
メルクの抗PD-1抗体キートルーダの併用療法を検討する試験に関しては、すでにファイザー、アムジェン、イーライリリー、エーザイ、小野薬品、協和発酵キリンなどが契約を締結している。
[参考2]
第一三共は新規の悪性黒色腫治療薬としてBRAF阻害剤Zelboraf(ゼルボラフ)を創製し、Rocheとの共同開発に成功したPlexxikonを2011年に9億ドル(770億円)をかけて買収したが、減損損失約350億円を2014年度の売上原価に計上している。

[リンク] 経営分析 ➜第一三共 ➜メルク (MSD)