進行固形腫瘍の標的療法に分子プロファイルに基づいたアンブレラ試験とバスケット試験を組み合わせた第2a相MyPathway 試験の結果を、Sarah Cannon Research Institute/Tennessee Oncology の研究グループがASCO年次総会で報告した。遺伝子異常のある腫瘍に対する承認適用外の分子標的薬の効果を評価した。
患者は分子レベルでの変化に応じてトラスツズマブ+ペルツズマブ (HER2 阻害)、ベムラフェニブ(BRAF 阻害)、 vismodegib (Hh 阻害)、エルロチニブ(EGFR 阻害)の標準用量の治療を受けた。主要評価項目は試験担当医師が腫瘍のパスウェイコホート毎に奏効率をRECIST v1.1 を基準に評価した。コホートのサイズと拡大は、Simon’s two-stage design criteria により実施した。
MyPathway 試験にはベースラインの評価が可能な遺伝子変異を有する129 名の患者が登録された(2015 年末時点)。内訳は、HER2(n=82; 発現増強53例、変異23例、増強と変異5例、PBMS-NRG1 融合1例)、BRAF(n=33; V600E変異18例, その他15例)、Hh(n=8; PTCH1変異7例、SMO変異1例)、EGFR変異6例であった。
【結果】 22 名が部分・完全奏効(1 完全奏効)を達成し、奏効期間の中央値は11 カ月以上であった。現行効能外の9 種の異なる癌腫に対して分子標的薬の奏効例が認められた。