心血管系疾患のある2 型糖尿病患者を対象に、エンパグリフロジン(Empagliflozin、商品名:ジャディアンス、開発コード:BI-10773)を標準療法へ上乗せしたことにより、腎疾患の新規発症または進行のリスクを、プラセボに比較して39%低下させたことが、New England Journal of Medicine 誌に掲載され、ニューオーリンズで開催された第76 回米国糖尿病学会(ADA)学術集会でも報告された。この結果は、EMPA-REG OUTCOME®試験の探索的評価項目に対して、事前に規定した計画により解析された結果の一部で、腎疾患の新規発症または悪化は事前に規定した複合有効性評価項目である。
EMPA-REG OUTCOME®試験:世界42 ヵ国、7,000 人超の心血管系疾患の既往歴のある2 型糖尿病患者を対象にした、長期、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ 対照試験である。主要評価項目は、心血管死、非致死性心筋梗塞または非致死性脳卒中のいずれかの初回発現までの時間と定義された。中央値3.1 年の観察期間において、エンパグリフロジン は、プラセボと比較して、心血管死、非致死性心筋梗塞または非致死性脳卒中のリスクを14%有意に低下させた。心血管死のリスクは、プラセボと比較して38%低下し、非致死性心筋梗塞または非致死性脳卒中のリスクに有意差は認められなかった。