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2016/06/27

BMSのPD-1阻害薬オプジーボによる進行性膀胱癌治療をFDAがBT指定

 ブリストルマイヤーズ スクイブ(BMS)/小野薬品のPD-1阻害薬オプジーボによる「白金製剤を含む併用療法の治療中または治療後に進行した切除不能進行性または再発性の尿路上皮癌」治療をFDAがBreakthrough Therapy(BT)に指定した。BT指定の申請には「治療歴を有する膀胱癌患者」を対象とした第2相CA209-275試験(NCT02387996)と、他のサポートデータを合わせて提出した。
 オプジーボは「治療歴を有する再発または転移性の頭頸部扁平上皮癌」、「自家造血幹細胞移植やADC薬ブレンツキシマブべドチン(商品名:アドセトリス)が不応になったホジキンリンパ腫」、「治療歴を有する進行性悪性黒色腫」、「治療歴を有する非扁平上皮非小細胞肺癌」、「進行性または転移性の腎細胞癌」、以上5つの癌腫についてFDAのBT指定を受けており、今回のBT指定は6番目の癌腫となる。このうち4つの癌腫はすでに承認されている。
 CA209-275 試験は、「白金製剤を含む併用療法による治療中または治療後に進行した切除不能進行性または再発性の尿路上皮癌」の患者242例を登録し、2015 年3月に開始された。2016年4月に一次試験を終了し、最終試験結果は2017年10月に発表される予定。ファストトラック、ローリング申請の権利を得て、sBLA 提出時に優先審査の指定を申請し、遅くとも2017 年3 月には承認される見通しである。第2相試験開始から2年というスピード承認となりそうだ。
 膀胱癌は世界で9 番目に多い癌腫であり、毎年43万人が新たに診断され、16万5千人が死亡すると推定されている。尿路上皮癌は、膀胱癌で最も一般的なタイプであり、膀胱癌患者の約90%を占めている。膀胱癌の大部分は早期に診断されるものの、再発率と病勢進行率が高く、78%の患者は5年以内に再発する。生存率は病期、癌のタイプ、および診断時期によって異なるが、ステージIVの膀胱癌の5年生存率は15%とされている。

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