お知らせ

2017/04/14

JAK阻害剤の関節リウマチ治療薬baricitinib に対してFDAがCRLを発行

イーライリリーと共同開発パートナーのIncyte Corp.(Incyte)が提出していた新薬承認申請(NDA)に対してFDAは非承認とする審査終了通知(CRL)を発行した。FDAは追加の臨床試験を実施して用量設定をやり直し、さらに使用する用量群毎に安全性の懸念を明確化する必要があると述べている。認可・発売にはかなりの遅れが生じるものと考えられる。リリーは中等度から重度の関節リウマチ(RA)に対し1 日1 回経口投与で申請していた。欧州ではすでに、2016 年2 月に欧州医薬品庁(EMA) に提出した販売承認申請(MAA)が2017 年2 月13 日に承認され、推奨用量は一日一回4 mg(QD)となっている。
(参考)JAK阻害剤として最も先行しているノバルティスのJAKAVIは骨髄線維症治療薬として2011年11月に米国、2012年4月に欧州で承認された。欧米、ほぼ同時の承認だったが市場が大きい関節リウマチでは承認されていない。ファイザーのJAK阻害剤ゼルヤンツは抗リウマチ薬として2012年に米国で承認された。しかし、欧州では5年遅れて3月に承認されたばかりである。リリーとファイザーはどちらも米国企業であるが、米国で順調だったファイザーは欧州で難航、反対に欧州で順調だったリリーは米国で難航しそうである。