お知らせ

2020/02/24

B細胞を標的とするオファツムマブによる多発性硬化症治療

02/24 Novartis, CD20, Multiple sclerosis (MS)
  • Novartis announces FDA and EMA filing acceptance of ofatumumab, a novel B-cell therapy for patients with relapsing forms of multiple sclerosis (RMS)
ノバルティスは再発型多発性硬化症(RMS)に対する新規のB細胞治療として、オファツムマブの承認を申請した。月に1回の皮下注製剤で家庭での自己注射が可能であり、大勢のRMS患者にとって第一次選択となりうる薬剤である。

(参考)
ノバルティスは2015年に大衆薬およびワクチン事業をグラクソのオンコロジー事業と交換した際にオファツムマブも入手した抗CD20抗体である。成熟前Bリンパ球の活性化を阻害する(Wikipedia)。グラクソは2009年に慢性リンパ性白血病(CLL)治療薬アーゼラ(Arzella)としてFDA承認を取得したものの、売上高は1億ドル(110億円)前後にとどまっていた。ノバルティスに移管されてからも売上開示基準に達しなかった模様。アーゼラは週1回2000mgと高用量の点滴静注が必要だった。RMS治療薬としては月に1回20mgの皮下注射と大幅に減量している。CD20を標的とする抗体医薬はリツキサンがCLLと関節リウマチを主効能として60憶ドル(6600億円)に達している。ロシュは多発性硬化症にはオクレバスを開発した。2017年に発売すると発売後2年で2000憶円を超えている。ノバルティスがグラクソの失敗から大きな拾い物をしたことになるのかどうか、注目される。