GSKはサンフランシスコを拠点とするバイオ企業Vir(ヴィル)バイオテクノロジーと提携し、自社のゲノム機能研究とCRISPRスクリーニングおよび人工知能技術を動員してCOVID-19に対する抗ウイルス抗体の作成を加速する契約を締結している(4月6日)。8月31日には治験薬VIR-7831のP2/3臨床試験における投与開始を発表した。登録予定の症例数は1,300例で2021年第1四半期には最終成績が得られる見通しであり、早ければ上半期中に抗体治療薬として提供できると期待している。
ロシュは臨床後期にあるリジェネロンの抗体医薬を共同生産・販売する契約を締結した(8月19日)。COVID-19の回復患者から二種類の強力なウイルス中和抗体を同定し、自社のベロシミューン技術を用いて治験薬REGN-COV2を作成した。リジェネロンはサノフィとの資本関係を解消したばかりで、米国では自社で製造販売し、米国外はロシュが担当する。
アストラゼネカはCOVID-19のワクチン開発で最も先行しているが抗体医薬ではリリー、GSK、ロシュに次ぐ4番手となりそうである。8月25日にAZD7442の第一相臨床試験の開始を発表した。米国ヴァンダービルト大学で発見した、回復患者由来の2種類のモノクローナル抗体を組み合わせ、アストラゼネカの技術で半減期の延長とFc受容体結合の減少を実現した。投与後、最低でも半年間の効果が期待される。
8月以前には、アッヴィがオランダのHarbour バイオメッドとユトレヒト大学およびエラスムス医療センターとの提携を発表(6月5日)している。アムジェンはAdaptiveバイオテクノロジーと提携した(4月2日発表)。
08/31 GSK, COVID-19
- Vir Biotechnology and GSK start phase 2/3 study of COVID-19 antibody treatment
- Phase I clinical trial initiated for monoclonal antibody combination for the prevention and treatment of COVID-19
- Roche and Regeneron collaborate to significantly increase global supply of REGN-COV2 investigational antibody combination for COVID-19
- Lilly Initiates Phase 3 Trial of LY-CoV555 for Prevention of COVID-19 at Long-Term Care Facilities in Partnership with the National Institute of Allergy and Infectious Diseases (NIAID) -- LY-CoV555 is a potent, neutralizing IgG1 monoclonal antibody (mAb) directed against the spike protein of SARS-CoV-2