COVID-19に対するワクチン開発で最も先行しているアストラゼネカが米国でのフェーズIII試験開始を発表した(8月31日)。18歳以上の成人3万人を登録し、AZD1222(実薬)2 対 プラセボ(生理食塩液)1の比率で4週間空けて筋肉注射で2回投与する。そのうち3000例については注射部位および全身の安全性、さらに免疫原性を評価する。この臨床試験は米国保健福祉省(HHS)のBARDA(Biomedical Advanced Development Authority、生物医学先端研究開発局)と米国立衛生研究所(NIH)のNIAID(National Institute of Allergy and Infectious Diseases、)、両方の財政支援によりアストラゼネカが主導して実施される。今回の米国3万例を含め全世界で5万例の症例を登録する最終フェーズIII試験の結果は年末までに判明する見通しである。
ファイザーはドイツのビオンテックと共同開発するmRNAワクチンBNT162b2の初期成績が良好であったと発表した(8月20日)。米国におけるフェーズ1試験において30μグラムを投与し、7日後に若年成人(18-55歳)の中和抗体量が回復患者の血清中濃度の3.8倍に達した。これまでに発表された各国政府との契約は英国3000万回分(7/20)、米国6億回分(7/22)、日本1億2000万回分(7/31)となっている。ちなみに先行するアストラゼネカは英米ワクチン共同体に7億回分および独仏伊蘭4億回分(6/13)、日本1億2000万回分と発表している。
ジョンソン&ジョンソンは米国政府との1億回分の契約を発表した(8月5日)。利益を乗せない原価ベースでの供給に対して10憶ドルの契約となった。
08/31
AZN,
COVID-19- Development of COVID-19 vaccine AZD1222 expands into US Phase III clinical trial across all adult age groups
08/20
PFE,
COVID-19- Pfizer and BioNTech share positive early data on lead mRNA vaccine candidate BNT162b2 against COVID-19
08/05
JNJ COVID-19- Johnson & Johnson Announces Agreement with U.S. Government for 100 Million Doses of Investigational COVID-19 Vaccine