WHO Rapid Evidence Appraisal for COVID-19 Therapies (REACT) Working Groupの欧州、南米、豪州、中国などの35 施設の研究者らが、IL-6 拮抗剤の投与と、COVID-19 入院患者の28 日間における全死亡率との関連性を評価したメタアナリシスの結果をJAMA 誌online 版(July 6, doi: 10.1001/jama.2021.11330)に発表した。解析結果から、IL-6 拮抗剤投与は、通常の治療やプラセボと比べて、COVID-19 入院患者の28 日間の全死亡率の低下と関連していた。IL-6 拮抗剤はトシリズマブ(アクテムラ)およびサリルマブ(ケブザラ)が使用されていた。
27 本の臨床試験に参加した合計10,930 人の患者 [年齢中央値;61 歳(範囲, 52-68 歳); 3560 人(33%)が女性]が含まれていた。28 日までに、IL-6 拮抗剤に無作為化された6,449 人の患者のうち、1,407 人が死亡、通常治療またはプラセボ投与に無作為化された4,481 人の患者では1,158 人が死亡した [集計OR、0.86 (95%CI;0.79-0.95); 固定効果メタアナリシスに基づくP = .003]。これは、通常治療またはプラセボ の推定死亡リスクの25%と比較して、IL-6 拮抗剤の絶対死亡リスク22%に相当する。対応する集計OR は、トシリズマブで0.83(95%CI;0.74-0.92; P <.001)、サリルマブ で1.08(95%CI;0.86-1.36; P = .52)であった。