お知らせ

2021/09/18

ENHERTU、HER2 変異型転移性非小細胞肺癌患者に54.9%の堅固で持続的奏効反応を示す

9 月18 日、第一三共とAstraZeneca は、両社が開発中の抗HER2 ADC 薬–ENHERTU (trastuzumab deruxtecan)のポジティブなピボタル第2 相DESTINY-Lung01 試験の詳細な主要結果は、前治療歴の有るHER2 変異陽性切除不能および/または転移性非扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)患者において、強力で持続的な奏効性を示したと発表した。これらの結果は2021 年欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2021) (#LB A45)のlate-breaking Proffered Paper セッションで発表され、同時にNEJM 誌に発表された。これらの患者集団に対して強力な奏効性を示した最初の抗HER2 療法としてのENHERTU のプロファイルを裏付ける結果である。

1. 肺癌: 

男性と女性両方の癌関連死の主な原因であり、全世界の癌による死亡の約5 分の1 を占め、症例の約80%から85%がNSCLC である。非扁平上皮NSCLC 患者の約2%から4%に認められるHER2 変異陽性NSCLC 患者の治療薬は特に承認されていない。

2. 第2 相DESTINY-Lung01 試験:

本試験は、前治療歴の有るHER2 変異陽性またはHER2過剰発現(IHC3 +又はIHC2 +)している、切除不能/転移性非扁平上皮NSCLC 患者を対象に、ENHERTU(6.4 mg/kg & 5.4 mg/kg) の安全性と有効性を評価する、グローバル、ピボタル第2相、オープンラベル、複数Cohort からなる試験である。主要評価項目は、独立中央審査(ICR)による確定ORR、主要副次評価項目は、DoR、DCR、PFS、OS、及び安全性が含まれる。

3. 有効性: 

前治療歴の有るHER2 変異NSCLC 患者におけるDESTINYLung01試験のHER2 変異Cohort (Cohort 2) の主要な結果として、ENHERTU (6.4 mg / kg) はICR によって確定された54.9% (n=50; 95%CI:44.2-65.4)の奏効率(ORR)を示した。合計91人の患者のうち、1 人(1.1%)の完全奏効(CR)と49 人(53.8%)の部分奏効(PR)が観察された。 92.3%に確定DCR が認められ、殆どの患者で腫瘍サイズの縮小が観察された。追跡期間の中央値13.1 カ月の時点で、ENHERTU のDoR の中央値は、9.3 カ月であった。PFSの中央値は8.2 カ月、OS の中央値は17.8 カ月であった。奏効性は、多様なHER2 変異サブタイプの探索的解析、および検出可能なHER2 発現またはHER2 遺伝子増幅のない患者で観察された。有効性は、白金ベースの治療、または白金ベースの抗PD-(L)1 療法による前治療、およびベースラインにおける無症候性脳転移を含むサブグループで観察された。

4. 安全性:

ENHERTU の安全性プロファイルは、ENHERTU の以前のNSCLC の試験と一致していて、新たな安全性シグナルは特定されていない。最も一般的なグレード(GR)3 以上の治療関連の有害事象は、好中球減少症(18.7%)、貧血(9.9%)、悪心(8.8%)、倦怠感(6.6%)、白血球減少症(4.4%)、下痢(3.3%)、および嘔吐(3.3%)であった。ICR が確定したILD 又は非感染性肺炎は24 例、過半数(75%)が低悪性度(GR 1 または2)、4 人のGR 3 および2 人のGR 5 (ILD又は非感染性肺炎関連死)であった。(完)

(主な出典:https://daiichisankyo.us/press-releases/-/article/364091/11804664他)