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2021/09/18

エンハーツ、HER2 陽性転移性乳癌患者の病勢進行/死亡のリスクをT-DM1 より72%減少

第一三共とアストラゼネカの抗HER2 ADC薬エンハーツ(一般名:トラスツズマブデルクステカン)について、第3相DESTINY-Breast03 試験結果と、第2相DESTINY-Breast01 試験データが、ESMO 2021で発表された。
第3相DESTINY-Breast03 試験において、トラスツズマブとタキサンによる治療歴の有るHER2 陽性切除不能および/または転移性乳癌患者に対し、エンハーツは現在承認されている抗HER2 ADC 薬トラスツズマブエムタンシン(T-DM1)と比較して病勢進行または死亡のリスクを72%低減した [無増悪生存期間(PFS)のハザード比(HR)= 0.28;95%CI;0.22-0.37; p = 7.8 x 10-22]。PFS 中央値は、T-DM1 群は6.8 カ月(95%CI; 5.6-8.2)、エンハーツ群は未達であった(95%CI;18.5-NE)。全生存期間(OS)は改善する傾向が強かった(HR 0.56;95%CI; 0.36-0.86;名目p=0.007172)が、この解析はまだ成熟していない。
第2相DESTINY-Breast01 試験最新データでは、2 回以上のHER2-ベースレジメンの治療を受けたHER2 陽性転移性乳癌患者において奏効期間(DoR)中央値は18.2カ月、PFS中央値は19.4 カ月、OS中央値は29.1 カ月であった。