お知らせ

2022/04/15

大塚製薬、阪大とCD98 重鎖を認識する新規抗腫瘍抗体R8H283 の独占的ライセンス契約

国立大学法人大阪大学(大阪大学)と大塚製薬は、大阪大学大学院医学系研究科が同定したCD98 重鎖を認識する新規抗体R8H283 について、大阪大学が大塚製薬に全世界におけるR8H283 を利用した製剤の独占的な実施権を許諾する契約を締結したCD98 重鎖は、様々な組織で発現し、細胞膜上でCD98 軽鎖とヘテロ2量体を形成して、アミノ酸トランスポーターとして機能する。また、CD98 重鎖は複数の癌種において高発現していることが知られている。
R8H283は、大阪大学大学院医学系研究科の保仙直毅教授(血液・腫瘍内科学)らの研究グループで同定された抗CD98 重鎖抗体である。R8H283 は多発性骨髄腫(MM)に特異的な結合を示す。骨髄腫細胞と正常血液細胞に発現するCD98 重鎖の糖鎖修飾の違いがその骨髄腫特異性の原因である可能性を示唆した。さらに、マウスを用いた実験において、R8H283 の投与により、正常細胞が傷害されずに、骨髄腫細胞のみが特異的に排除されることを示した。本年2 月、動物モデルを用いた試験において、R8H283 が顕著な抗腫瘍効果を示したことを発表した。