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2022/07/06

抗amyloidβprotofibril 抗体lecanemab,早期アルツハイマー病の申請をFDA 受理、優先審査指定

エーザイとBiogen Inc.(Biogen)が開発中の、抗amyloidβ(Aβ) protofibril 抗体lecanemab(BAN2401)について、脳内にアミロイド 病変が確認されたアルツハイマー病(AD)による軽症認知障害(MCI)および軽症AD(総称して早期AD)の治療薬候補として、加速承認制度に基づくBLA がFDA に受理された。本申請は優先審査の指定を受け、PDUFA の審査終了日は2023 年1 月6 日に設定された。
lecanemab(BAN2401)は、スウェーデンのBioArctic AB とエーザイの共同研究から得られた、可溶性amyloidβ(Aβ)凝集体(protofibril)に対するヒト化モノクローナル抗体(mAb)である。lecanemab は、AD を惹起させる因子の一つと考えられている、神経毒性を有するAβprotofibrilに選択的に結合して無毒化し、脳内からこれを除去することでAD の病態進行を抑制する疾患修飾作用が示唆されている。現在、lecanemab は抗Aβ抗体で唯一漸増投与が不要な早期AD 治療薬をめざして開発中である。早期AD を対象にした大規模臨床第2 相201 試験においては、事前に規定したlecanemab10 mg/kg bi-weekly 18 カ月静脈投与における解析結果は、脳内Aβ蓄積量減少(p<0.0001)とADCOMS*による臨床症状の悪化抑制(p<0.05)を示した。なお、12 カ月投与時における主要評価項目**は達成しなかった。
*ADCOMS:AD 複スコアは、早期AD の変化を、高感度の検出を目指し、ADAS-cog、MMSE、CDR の3 種の臨床評価尺度を組み合わせてエーザイが開発した評価指標。
** 投与12 カ月時点でADCOMSによる臨床症状の抑制がプラセボ投与群に比べて25%低下する確率が80%以上とする。