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2023/02/10

Heartseed / Novo、重症心不全の心機能回復に心筋球細胞療法HS-001 最初の患者移植に成功

慶大医学部発バイオベンチャーHeartseed とNovo Nordisk A/S (Novo)は、Heartseed が心不全患者に対する細胞治療として開発を進めている HS-001の第1/2 相LAPiS試験で、最初の患者への移植に成功したと発表した。独立安全性評価委員会は、この重症心不全患者の 4 週間のデータを評価した結果、同治験の継続を承認した。 HS-001は開発中の細胞療法であり、他家 iPS 細胞由来の純化精製した心筋細胞の微小組織(心筋球)であり、重症心不全の患者における心筋や心機能を回復することを目的としている。複数の非臨床試験において、他家iPS 細胞由来の心筋細胞が心機能を改善することが示されている。生着率を高めるために心筋球と呼ぶ微小組織にしたもので、単一細胞と比較して、心筋球にすることで細胞移植の生着率や生存率が向上することが非臨床試験で確認されている。心筋球は心臓の心筋層内へ投与することを目的として開発した専用の投与針(SEEDPLANTER®) とガイドアダプターを用いて移植する。 移植した心筋球は、患者の心筋と結合して再筋肉化することで心収縮力を改善し、また種々の血管新生因子を分泌して移植部位周辺に新たな血管を形成する (neovascularization) という作用機序が期待されている。