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2017/09/22

欧州委員会(EC)はロシュの抗PD-L1 抗体テセンテリクの効能追加(転移性肺がん及び転移性膀胱がん)を承認

 EC が1 件の販売承認に全く異なる複数の癌腫の効能追加を含むType II 変更申請を承認するのは珍しい。ロシュのテセンテリク(TECENTRIQ、一般名:アテゾリズマブatezolizumab)は、化学療法治療歴のある局所進行または転移性の非小細胞肺癌(NSCLC)に対して、PD-L1 発現状況に関係なく、単剤療法による効能を承認した。EC は同時に、白金製剤ベースの化学療法治療歴のある、あるいは化学療法が不適な局所進行または転移性尿路上皮癌に対しても、PD-L1 の発現状況にかかわらず、単剤療法を承認した。
 非小細胞肺癌の単剤療法の承認は、大規模無作為化、第3 相OAK 試験、および無作為化第2 相POPLAR 試験の結果に基づいている。OAK 試験において、PD-L1 の発現状況にかかわらず全集団でのTECENTRIQ 群の主要評価項目の全生存期間(OS)中央値は13.8 ヵ月で、ドセタキセル 群と比較して、4.2 ヵ月延長した[ハザード比(HR)=0.73、95%CI;0.62-0.87]。
 尿路上皮癌の単剤療法の承認は、無作為化、第3 相IMvigor211 試験およびシングルアームの第2 相IMvigor210 試験のコホート1(cisplatin ベースの化学療法が不適格な患者群)およびコホート2(白金製剤ベースの化学療法による治療歴がある患者群)の成績に基づいている。第3 相IMvigor211 試験において、TECENTRIQ 群は主要評価項目の全生存期間(OS)を達成できなかったが、副次評価項目の奏効期間の中央値は、化学療法群の7.4 ヵ月(95%CI:6.1ヵ月-10.3 ヵ月)に対し、TECENTRIQ 群は21.7 ヵ月(95%CI:13.0ヵ月-21.7 ヵ月)であった。データカットオフ時点において奏効が持続していた患者は、化学療法群の21%に対して、TECENTRIQ 群は63%であった。