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2021/03/03

FDA、ALK 阻害剤 LORBRENA の ALK 陽性転移性非小細胞肺癌の 1 次療法効能追加承認

 3 月 3 日、Pfizer は、FDA が、同社の LORBRENA(lorlatinib)の sNDA について、未分化 リンパ腫 kinase(ALK)-陽性、非小細胞肺癌(NSCLC)患者の 1 次療法に関する効能拡大を承認 したと発表した。 

1. 許認可情報:LORBRENA は現在、FDA 承認の検査法で検出された、腫瘍が ALK 陽性の 転移性 NSCLC の成人患者の治療が適応されている。 FDA のアクションとしてはまた、2018 年の加速承認を完全承認(標準承認)への移行することの承認である。また、この申請は、FDA の希少病薬指定、Real-Time Oncology Review(RTOR)パイロットプログラムの下で承認された。 加速承認の確認試験の最終報告書の提出期限は 2021 年 9 月であったが、6 カ月前倒しで標準 承認に移行することが承認された。

2. Pfizer Oncology グローバルプレジデント Andy Schmeltz 氏のコメント:「Pfizer は 10 年 以上にわたり、バイオマーカーに対する治療法を提供し、非小細胞肺癌患者の多様で進化す るニーズに対応するパイオニア企業である。LORBRENA は、ALK 陽性進行性 NSCLC 患者 にとって変革をもたらす薬であり、この FDA の 1 次療法の承認は、より多くの人々に希望 を広げることができることを意味している。」と述べている。

3. LORBRENA:本品は、現在の薬剤に対する耐性を促進する最も一般的な腫瘍の変異を阻 害し、ALK 陽性 NSCLC の病勢進行の頻繁な部位である脳の転移に対処するために特別に設 計された第 3 世代の ALK 阻害剤である。 ALK 陽性の転移性 NSCLC 患者の最大 40%が、初 期診断時に脳転移を有している。」と述べている。

4. 申請の根拠とした臨床試験データ:LORBRENA の承認の拡大は、未治療の患者集団につ いて、XALKORI(crizotinib)と比較して進行または死亡のリスクを、盲検下独立中央レビュー (BICR)による評価で 72%の低下を示した(HR 0.28:95%CI:0.19〜0.41;p <0.0001)、ピボタル 第 3 相 CROWN 試験結果に基づいている。中枢神経系(CNS)の関与は、全ての患者で評価さ れた。ベースラインの脳画像診断に基づいて測定可能な脳転移を有する患者は、LORBRENA 群 17 人、XALKORI 群 13 人であった。事前に指定された探索的解析では、XALKORI アー ム内の患者の中で、BICR によって評価された頭蓋内奏効率(IC-ORR)は、LORBRENA 群で 82%(95%CI, 57〜96)、23%(95%CI, 5〜54)。12 カ月あるいはそれ以上の頭蓋内奏効期間(ICDOR)は、それぞれ LORBRENA 群で 79%(n = 11), XALKORI 群で 0%であった。

5. 安全性:LORBRENA で治療された人々の 20%以上に発生した全グレードおよびグレード 3〜4 の重度の検査値異常で最も一般的な有害事象(AE)は、浮腫(56%9、体重増加(38%)、末梢 神経障害(35%)、認知効果(21%)、下痢(21%)、呼吸困難(20%)、および高トリグリセリド血症 (22%)であった。重度の AE は、LORBRENA 治療群の 34%に発生した。最も頻繁に報告され た重篤な AE は、肺炎(4.7%)、呼吸困難(2.7%)、呼吸不全(2.7%)、認知効果(2.0%)、および発 熱(2.0%)であった。致命的な AE は、LORBRENA 治療群の 3.4%に発生し、肺炎(0.7%)、呼吸 不全(0.7%)、急性心不全(0.7%)、肺塞栓症(0.7%)、突然死(0.7%)が含まれていた。AE による LORBRENA の完全投与中止は 6.7%に発生した。用量の中断と減量につながる AE は、 LORBRENA 治療群でそれぞれ 49%と 21%発生した。